上籾みろく農場協議会について

久米南町上籾地区

日本の原風景を色濃くとどめる里山

岡山県久米南町は、岡山県のほぼ中央に位置する人口4,769人(2020年)、県庁所在地の岡山市から北へ約40キロメートル、広域市町村圏の中核都市である津山市からは、南へ約20キロメートル、町の中心部を南北に国道53号とJR津山線が通っています。主な産業は、米作を中心とする農業。ぶどう、ゆず、野菜などの生産も盛んです。

その久米南町の北部に位置する上籾地区は、開村1300年以上、農村文化が色濃い「日本の棚田百選」に認定された棚田で知られている典型的な中山間地域(里山)です。
(総面積は3平方キロ弱、50戸、106人ほど)

この地区の棚田と周辺の四季折々の景観を楽しむために、県内外から久南町を訪れる「棚田ファン」も多くいたのですが、近年久米南町は、岡山県内 1位の高齢化率44.3% (2000年 10 月時点、「岡山県の高齢者(65歳以上)の市町村別状況」より)を記録し、高齢化や人口減少が大きな課題となっており、限界集落から消滅に向かっています。
また、上初地区 の棚田で耕作放棄地が目立つなど、地域の共有資産である里山の維持が困難になりつつあります。

設立に至る経緯

このような状況を打破するために、平成26年に、自治会役員と有志が立ち上がり、地区をあげての交流事業として、初めての「農業体験研修」が実施され、農家がインストラクターとして、参加者に昔ながらの「稲刈り+穂木」を指導しました。

翌年の平成27年1月、農業研修として参加した企業、(株)パソナグループも構成団体となり、本格的な地域振興事業を地元とともに推進する体制を整え、地域協議会「上粗みろく農場協議会」が立ち上がりました。その後、地域資源を活かした様々な農村体験プログラム、特産品の開発などを推進し、それにより、新たな宿(「田舎の宿」)やカフェ(「棚田テラス「籾庵」」がオープンし、農村観光としての基盤が立ち上がりました。

現在

「黄金の谷」と讃えられた「上籾棚田」(日本の棚田百選)の復元事業に平成29年から着手し、現在(令和3年現在)1,500mの耕作放棄を復元しました。

また、棚田を見渡せるカフェ「籾庵」は県内外から多くのお客様が訪れる人気のカフェとなり、令和元年には本格的なレストランとして増築し、年間3000人以上のお客様をお迎えしています。「上概しあわせ会」のご婦人がてがける特産品をはじめ、「上籾棚田復元米」「上棚田お祝い餅」もこの地区のオリジナル商品として好評を得ています。

セミナーの講師としてこの地を訪れたパーマカルチャーを実践するカイル・ホルツヒューター(生物自然科学博士)が海外から移住し、研修センターを設立したことで、海外からのワークショップ参加者が増加し、スタッフとして働く新たな移住者も増えています。
農業は「自然栽培」に切り替え、農園だけではなく、棚田も徐々に自然栽培に移行していきます。

この一連の取り組みは、HPを通して、できるだけリアルタイムで情報を発信していきたいと思っています。 全国の多くの同じ問題を抱える地域の皆さまと手を携え共に推進させていただきたいと願っています。

地域振興事業は全国民が必要と感じている日本の国の大きな社会の課題でありますが成功の方程式はなく、それぞれの地域が取り組む姿、その過程こそが一番重要なものであると感じています。この取り組みにに携わる人達全員の共通である、

「次の世代にこの豊かな農村の恵みを渡したい」

この思いを共通のビジョンとして描きながら「上籾みろく農場協議会」をこれからも推進していきます。

令和4年7月

上籾みろく農場協議会

役員紹介

  • 会長杉本 光正
  • 副会長山本 博司、河島 健一
  • 監査役森尾 賢治
貝阿彌 敏美
プロジェクトリーダー

(株)パソナグループ・事業開発部(岡山創生プロジェクト)マネージャ―

貝阿彌 敏美

岡山県美咲町出身。大学卒業後、アナウンサーとして、主に関西のTV、ラジオ番組の司会、レポーターを務める。

また、震災前(阪神淡路大震災)まで、大阪心斎橋のアートシアターの支配人として、数々のアート作品を日本に紹介する。

その後は東京に活躍の場を移し、NHK衛星放送の構成、司会や雑誌のインタビューアーを経験した後、1996年からNED(新エネルギー産業技術総合開発機構)のプロジェクトにディレクターとして参加し、ベンチャー企業の支援にあたる。

2007年経済産業省・サービス産業創出支援事業の認定事業者として、故郷の美咲町を中心とした岡山中山間地域の調査事業と新たな農村モデルの実証事業をはじめる。(提携企業として、JTB、パソナ、関西雇用創出機構等)

現在、岡山県久米南町上籾にて、地域協議会「上籾みろく農場協議会」を上籾自治会と立ち上げ、農村文化の継承、新たなビジネスモデルの構築に取り組んでいる。